認知症の高齢者を介護するときには、感情的にならないことが大切です。認知症の人と関わると理不尽な出来事が起きたり、思いもよらないわがままを突きつけられることがあります。介護している側はついつい感情にまかせて叱ってしまったり、冷たい態度を取ってしまうことは珍しくありません。ですがここはグッと堪えて、冷静に対処するようにしましょう。

出来るだけ相手の言いたいことを理解するようにして、穏やかに接します。訳の分からないことを言っていたとしても本当に言いたいことは何なのか、どんな訴えをしているのか少しでも理解してあげます。無闇やたらに怒ったり冷たくすると認知症の高齢者は傷付いてしまい、心を閉ざしてしまう可能性があるのです。信頼関係を築いてスムーズに介護をするためにも感情的にならず、相手の意思を汲み取って接するようにします。

また認知症の人が快適な暮らしが出来るように、なるべく住み慣れた環境は変えないようにします。生活環境や人間関係、生活のリズムやペースは本人に合わせるようにしましょう。施設などに入居してもマイペースに過ごせるように、本人の意思を確認してから食事にしたり、入浴をするようにします。時間が経ったら施設が決めているルールに合わせて介護が受けられるように、徐々にスケジュールを変えていきます。人との交流も認知症の症状を抑える効果があると考えられているので、施設に入居している人たちとの定期的な交流も忘れないようにしましょう。